（１６）達弥西心のわかりやすい話「セールス」

人間関係がうまくいくがどうかのすべての根源は、自分が自分自身を好きになれるかどうかの、ただ一点にかかっているように思います。そうなると、どうしても自分を好きにならなくてはなりません。ところが、これがなかなかうまくいきません。

自分で自分自身を客観的に見たときに、いったい自分はどんな姿をしているのだろうか。このイメージをセルフイメージといいますが、セルフイメージが高いか低いか、好ましいと思っているか嫌いだと思っているか。これは実に大切なことです。自分自身を好きになれない人は、他人からも好かれません。同時に、他人を好きにもなれません。当然のことです。

彼はその後、６期（３年間）に渡って毎回記録を更新していき、半年ごとの表彰式に出席する常連の優秀セールスマンに成長していきました。もちろん、いつの間にか押しも押されぬ営業所内のトップセールスマンです。

中国地区の表彰式の後、もらった金一封の一部で、次の白紙を入れるための額縁を買って帰るのが慣例となってきたのです。こうなれば、事態は次々に良い方に展開していきます。たった一つの思いつきから、こんなにも大きく広がってくるものです。成長しようと思う、その意志さえあれば。

さっそく彼は、まったく同じ額縁をもう一つ買ってきて、白い紙を入れて一枚目の表彰状の額の横に並べて掛けたのです。毎朝、出勤前には必ず自然に目に入ります。真っ白い紙だけが入った不自然な額縁を毎日眺めていると、いつか自然な状態にしてやろうと思い始めるのだと彼は言います。

楽しくなると成績も自然に上がってくるもので、ある一定の表彰基準をギリギリでしたがクリアして、彼は入社以来初めて、中国地区の優秀セールスマンの表彰を受けたのです。

表彰状を受けて金一封を受け取って、帰りにふと、この表彰状を入れる額を買って帰ろうと思い立ちました。帰宅して表彰状を額縁に入れて居間に掛けました。その時、毎朝聴いている自己啓発プログラムのレッスンの中のある話を思い出したのです。